たとえ益有ることを多く語る者であっても、それを為す者と成らないなら、怠る人である。牛飼いが牛を数えているように、沙門の資質を分け持つ者には成らない
たとえ益有ることを多く語る者であっても、それを為（な）す者と成（な）らないなら、怠る人である。牛飼いが牛を数えているように、沙門の資質を分け持つ者には成らない。
ためになる話をいくら沢山する人であっても、実行が伴わなければ駄目である。牛飼いの人が牛の数を数えているに過ぎないように、何事も実行が伴わない机上の空論だけでは説得力はない。普段の対人関係であっても、日々の行いによって信頼関係は随分と変わってくるのではないだろうか。
『法句経』
『法句経』は『ダンマパダ＝真理のことば』ともいい、お釈迦さま自身の言葉を伝える原始仏典の一つ。423の詩が26章にわけて収録されている。
仏教の教えの中で、特に人々の心に響く名言が「実行なくして言葉は無意味」です。この言葉は、たとえ多くの知恵や教えを語ったとしても、それを実践しなければ意味がないことを示しています。牛飼いが牛の数を数えるように、机上の空論に終わることは無益です。実際に行動を起こし、その言葉を生活に取り入れることが重要なのです。
私たちの対人関係においても同様で、言葉だけではなく、行動が信頼を築く礎となります。「言うは易く行うは難し」とも言われますが、日々の行いを通じて他者との信頼関係を深めることが求められます。これこそが、仏教が教える「実践」の本質なのです。
この教えは、『法句経』の中で語られ、多くの人々に受け継がれています。仏教の教えは時代を超えて私たちに響き続け、行動の大切さを改めて思い出させてくれます。私たちも知恵を持つ者として、ただ語るだけではなく、実行に移すことが求められています。言葉を行動に移すことこそ、多くの人に感動や影響を与え、真の意味での教えを広げる力となるのです。私たち一人一人がこの名言を心に留め、日々の実践を通じて自身を高めていけることを願っています。
