施す者は天に生まれ、受くる者は獄に入る

伝教大師最澄(天台宗宗祖。767-822)

原文

施す者は天に生まれ、受くる者は獄に入る。

意訳

布施をして善いことをする人は、来世は天界に生まれる。その施しを受ける人は、それを受けるに値しない人ならば地獄に堕ちるだろう。

出典

『願文』

解説

伝教大師が東大寺戒壇院で具足戒を受けて比丘となった直後、比叡山に入って、仏教者としての誓いを著したもの。世間の無常、善因善果・悪因悪果、人身の得難きこと、自己への反省、大乗菩薩僧としての誓願について記している。

妙機禅師の教え

「施す者は天に生まれ、受くる者は獄に入る。」この言葉は、布施の重要性とその結果を教えてくれます。善行を施すことは、自己の利益だけでなく、他者の幸せへもつながっていきます。仏教の教えに従えば、施しをする者は、来世において天界に生まれるとされています。これは、行動がもたらす善因善果の原則を象徴しています。

一方で、施しを受ける人がその施しに値しない場合、地獄へ堕ちることがあるという警告も含まれています。この教えは、他者への感謝の心や、施しを行う際の思慮深さを促します。私たちが行う行為は、ただの行動ではなく、未来への影響を持つことを忘れてはいけません。

仏教におけるこの名言は、自己反省の重要性をも教えています。自分自身がどのような行動をしているのかを見つめ直し、他者に対してどう振る舞うべきかを考える機会を与えてくれます。大乗菩薩僧としての誓願は、ただ自己の救いを求めるのではなく、他者の救いをも願う姿勢を持つことを求めています。

このように、布施の行為は物質的なものだけに留まらず、心の在り方、その意識の持ち方にまで及びます。自身の心がけ次第で、天に導かれたり、逆に苦しみを受けることもあるという深い教訓です。日常の中で、私たちがどのように他者に接するか、その選択が未来を形作るのです。仏教の教えを通じて、より良い行いを追求し、名言の如く、善を育む道を歩んでいきましょう。

知恵と慈悲、毎日仏教の名言 知恵と慈悲、毎日仏教の名言 知恵と慈悲、毎日仏教の名言

注目の名言