人の心、元より善悪なし。善悪は縁に随っておこる
道元禅師(曹洞宗開祖。1200-1253/懐奘撰)
人の心、元より善悪なし。善悪は縁に随っておこる。
人の心はもともと善悪はないものだが、善い縁にあえば善心となり、悪い縁とあえば悪心となる。
『正法眼蔵随聞記』
道元禅師の弟子で、後に永平寺第2代住持となった懐奘禅師が道元禅師の説き示されたことを筆録し、書物にまとめたもの。
人間の心の本質は、もともと善悪を持っていないと言われています。この考え方は、私たちの心が様々な外的な影響によって変化することを示しています。つまり、何かの出来事や出会いが心に良い影響を与えれば、善い思いが芽生え、逆に悪い環境に身を置くと、心が乱れ、不安や嫉妬、怒りが生じることがあります。
私たちの心の状態は、絶えず変化し続けており、その変化は周囲の環境や人間関係によって大きく影響されます。このような考え方を理解することで、私たちは自己を見つめ直し、何が自分の心の平穏を保つために必要なのかを考える機会を持つことができます。
大切なのは、どのような縁に出会っても、それに流されず、自分自身を見失わないことです。心の動きを観察し、自分が何に影響を受けているのかを冷静に判断することが重要です。心の奥深くにある本来の善い部分を引き出すためには、まず自分自身の内面を探求し、外的な影響から距離を置くことが必要です。
また、周りの人々にも同じような心が宿っていることを忘れずにいたいものです。相手の心の状態も外部の影響を受けているため、私たちは共に善い道を歩むことができるような縁を育む努力が求められます。互いに理解し合い、思いやりを持つことで、より良い心の環境を築いていけるでしょう。
このように、善い縁とは単なる偶然ではなく、私たち自身の努力と周囲に対する感謝の気持ちから生まれるものです。善悪を超えた心の本質を見つめることで、より深い理解と調和を目指して歩んでいくことができるのです。