愛と知恵、聖書の言葉

それで、私は、あなたのなすべきことを、キリストにあって極めて率直に命じてもよいのですが、 むしろ、愛のゆえにお願いします。年老いて、今はまたキリスト・イエスの囚人となっている、この私パウロが、 獄中で生んだ私の子オネシモのことで、あなたに頼みがあるのです。 彼は、かつてはあなたにとって役に立たない者でしたが、今は、あなたにも私にも役立つ者となっています。 そのオネシモをあなたのもとに送り返します。彼は私の心そのものです。 本当は、彼を私のもとにとどめて、福音のゆえに獄中にいる間、あなたにではなく私に仕えてもらいたいと思ったのですが、 あなたの承諾なしには何もしたくありません。あなたの善い行いが強制されたものではなく、自発的なものであってほしいと願うからです。 彼がしばらくの間あなたから離れていたのは、恐らく、あなたが彼を永久に取り戻すためであったのでしょう。 もはや奴隷としてではなく、奴隷以上の者、愛する兄弟としてです。オネシモは、とりわけ私にとってそうですが、あなたにとってはなおさらのこと、一人の人間としても、主を信じる者としても、愛する兄弟であるはずです。 ですから、あなたが私を仲間と見なしてくれるなら、オネシモを私と思って迎え入れてください。 また、彼があなたに何か損害を与えたり、負債を負ったりしていたら、それは私の借りにしておいてください。 私パウロが自分の手でこう記します。私が返済します。あなたが自分を、私に負うていることは、言わないでおきましょう。 そうです。兄弟よ、私は主にあって、あなたから喜びを得たいのです。キリストにあって、私の心を元気づけてください。

(フィレモンへの手紙 :8-20)

愛と知恵、聖書の言葉

もしあなたのもとに、ヘブライ人の男か女が売られて来たら、六年間あなたに仕える。しかし、七年目には自由の身としてあなたのもとから去らせなければならない。 自由の身としてあなたのもとを去らせるときは、何も持たせずに去らせてはならない。 あなたの羊の群れから、あなたの麦打ち場から、あなたの搾り場から惜しみなく与えなければならない。あなたの神、主があなたに祝福したものを、彼に与えなければならない。 エジプトの地で奴隷であったあなたを、あなたの神、主が贖い出されたことを思い出しなさい。それゆえ、私は今日この言葉をあなたに命じているのである。 もしその人が、あなたとその家族を愛し、あなたと共にいることを望み、「私はあなたのもとを離れません」と言うならば、 あなたは錐を取り、彼の耳を入り口の扉につけて刺し通しなさい。そうすれば彼は生涯あなたの奴隷となる。女奴隷の場合も、同様にしなければならない。 あなたがその者を自由の身としてあなたのもとから去らせるときは、厳しくしてはならない。彼は六年間、雇い人の賃金の倍も働いて、あなたに仕えたからである。そうすれば、あなたの神、主はあなたが行うすべてのことを祝福される。

(申命記 15:12-18)

愛と知恵、聖書の言葉

未婚の人たちについては、私は主の命令を受けていませんが、主の憐れみによって信任を受けた者として、意見を述べます。 現在迫っている危機のゆえに、人は現状にとどまっているのがよいと思います。 妻と結ばれているのなら、それを解こうとしてはいけません。妻と結ばれていないなら、妻を求めてはいけません。 しかし、あなたが結婚しても、罪を犯すわけではなく、おとめが結婚しても、罪を犯すわけではありません。ただ、結婚する人たちはその身に苦労を負うことになるでしょう。私は、あなたがたのためを思って言っているのです。 きょうだいたち、私がこう言うのは、時が縮まっているからです。これからは、妻のある人はない人のように、 泣く人は泣かない人のように、喜ぶ人は喜ばない人のように、物を買う人は持たない人のように、 この世を利用する人は利用しない人のようになりなさい。この世の有様は過ぎ去るからです。 私は、あなたがたに思い煩わないでいてほしいのです。独身の男は、どうすれば主に喜ばれるかと、主のことに心を遣いますが、 結婚している男は、どうすれば妻に喜ばれるかと世のことに心を遣い、 心が分かれてしまいます。独身の女やおとめは、体も霊も聖なる者になろうとして、主のことに心を遣いますが、結婚している女は、どうすれば夫に喜ばれるかと、世のことに心を遣います。 このように私が言うのは、あなたがたの益のためであって、あなたがたを束縛するためではありません。むしろ、あなたがたが品位を保ち、ひたすら主に仕えるようになるためなのです。 もし、ある人が、婚期に達しているおとめに対して、そのままではふさわしくないと思い、また、やむをえないならば、望みどおりにしなさい。罪を犯すことにはなりません。結婚すべきです。 しかし、彼がしっかりとした心を持ち、無理をしないで自分の思いを制することができ、相手のおとめをそのままにしておこうと心の中で決めたなら、そうしたらよいでしょう。 ですから、相手のおとめと結婚することは差し支えありませんが、結婚しないほうがもっとよいのです。 妻は、夫が生きている間は結ばれていますが、夫が死ねば、望む人と再婚してもかまいません。ただし、相手は主にある人に限ります。 しかし、私の考えによれば、そのままでいるほうがずっと幸せです。私も神の霊を受けていると思います。

(コリントの信徒への手紙一 7:25-40)

愛と知恵、聖書の言葉

有能な妻を見いだすのは誰か 彼女は真珠よりもはるかに価値がある。 夫は心から彼女を信頼し 儲けに不足することはない。 彼女は生涯にわたって 夫に幸いをもたらし、災いをもたらすことはない。 羊毛と亜麻を求め 手ずから喜んで仕立て上げる。 商人の船のように 遠くから食物を運んで来る。 彼女は夜明け前に起き出して一家の食事を整え 働く若い女たちに指図を与える。 よく思い巡らしたうえで畑を購入し 手ずから得たもうけの果実でぶどう畑を設ける。 力強く腰に帯をし 腕に力を入れる。 取り引きが好調であることを確かめ 灯は夜も消えることがない。 彼女は手をはずみ車に伸べ 手のひらは紡ぎ棒を操る。 彼女は苦しむ人に手を開き 貧しい人に手を差し伸べる。 雪の日も一家に恐れはない 家族は皆、衣を重ねているからだ。 彼女は自分のために上掛けを織り 上質の亜麻布と紫の衣を着る。 夫はよく知られた人で 城門で土地の長老と座に着いている。 彼女は上質の亜麻布を織って売り 帯を商人に渡す。 力と輝きが彼女の衣服。 彼女は前途に憂いなくほほ笑む。 口を開いて知恵を語り 慈しみの教えをその舌に乗せる。 一家の歩みによく目を配り 怠惰の食物を貪ることはない。 子らは立ち上がって彼女を祝し 夫も彼女をたたえて言う。 「有能な働きをなす女は多いが あなたはそのすべてにまさっている。」 あでやかさは偽り、美しさは空しい。 主を畏れる彼女こそ、誇ることができる。 彼女の手の実りを彼女に与え その働きを城門でたたえよ。

(箴言 31:10-31)

愛と知恵、聖書の言葉

ダビデは二つの門の間に座っていた。見張りが城壁の門の屋根に上り、目を上げると、男がただ一人走って来るのが見えた。 見張りは声を上げて王に知らせた。王は、「一人だけならば、良い知らせをもたらすだろう」と言った。その男が近づいて来たとき、 見張りはもう一人の男が走って来たのに気付き、門衛に呼びかけて言った。「もう一人、走って来る者がいます。」王は言った。「これもまた良い知らせだ。」 見張りは、「最初の男の走り方は、ツァドクの子アヒマアツの走り方のように見えます」と言った。王は、「あれは良い男だ。良い知らせを持って来たのだろう」と言った。 アヒマアツは王に向かって、「平安がありますように」と叫び、地にひれ伏して礼をし、言った。「あなたの神、主はたたえられますように。主は、王様に手を上げる者どもを引き渡してくださいました。」 王が、「若者アブシャロムは無事か」と尋ねると、アヒマアツは答えた。「ヨアブが王様の僕とこの僕とを遣わそうとしたとき、大騒ぎが起こっているのを見ましたが、それが何であったか、私には分かりません。」 王が、「脇に寄って、立っていなさい」と命じたので、アヒマアツは脇に寄り、そこに立った。 そこへクシュ人が到着した。彼は言った。「王様、良い知らせをお受けください。主は今日、あなたに逆らって立ったすべての者の手から、あなたを救ってくださいました。」 王はクシュ人に、「若者アブシャロムは無事か」と尋ねた。クシュ人は答えた。「王様の敵、あなたに逆らって危害を加えようとする者はことごとく、あの若者のようになりますように。」 王は身を震わせ、門の上の部屋に上って泣いた。彼は上って行きながらこう言った。「わが子アブシャロムよ、わが子よ、わが子アブシャロムよ。私がお前に代わって死ねばよかった。アブシャロム、わが子よ、わが子よ。」

(サムエル記下 18:24-19:1 [18:24-33])

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